「AWS Black Belt Online Seminar AWS Identity and Access Management (IAM)」レポート

「AWS Black Belt Online Seminar AWS Identity and Access Management (IAM)」レポート

Clock Icon2016.09.23

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こんにちは、菊池です。

2016年9月21日(水)のAWS Black Belt Online Seminarを受講しましたので、レポートします。

今回はAWSを利用する上で必須と言える、Identity and Access Management (IAM)についてです。

Identity and Access Management (IAM)とは

IAMの概要

AWSをセキュアに利用するための認証・認可の仕組みです。

AWSのユーザ単位

  • rootユーザー:AWSのアカウント作成時のIDで、全てのサービス・リソースに対し完全なアクセス権を持ちます。root権限が必要な操作を除いて、日常タスクでは使用しないことが強く推奨されます。
  • IAMユーザー:AWS操作用のユーザー。10までのグループに所属可能で、個別にアクセス権限を設定できます。
  • IAMグループ:IAMユーザーをまとめるグループ。グループ単位でアクセス権限の付与が可能です。

IAMによる認証

認証情報

アクセスキーID/シークレットアクセスキー:

  • REST/Query形式のAPI利用時に使用します。1ユーザにつき2つまで生成可能です。
  • 保持の方法に注意
    • BAD:GitHUB、AMI埋め込み、文書/メールに記述、コード内に記述
    • GOOD:AWS認証情報ファイル、環境変数

X.509認証:

  • 証明書を作りアップロードし、SOAP形式のAPIリクエスト時に使用します。

マネジメントコンソールへのログインパスワード:

  • デフォルトでは作成されませんので、マネジメントコンソールを利用するユーザーに発行します。
  • パスワードポリシーが設定可能です。
    • 最小文字数、英大文字、英小文字、数字、記号の要求
    • 有効期限や再利用制限など

MFA(多要素認証):

  • ハードウェアMFA(Tokenタイプ。現在カードタイプは利用不可。)
  • 仮想MFA
  • SMS(プレビュー)

認証情報のローテーション

定期的なローテーションが推奨されます。

  • IAM認証情報レポートで認証情報の利用状況を確認可能
  • IAMユーザはパスワードポリシーで強制することが可能
  • アクセスキーのローテーション
    1. 新しいアクセスキーを発行しテスト
    2. 古いキーをInactiveにする(問題があったら再度Activeにすることが可能)
    3. 古いキーを削除

IAMによる権限設定

IAMポリシー

管理ポリシー :

2015年に追加。複数のグループ、ユーザー、ロールにアタッチ可能で、5世代まで変更管理も可能。AWSで管理されるAWS管理ポリシーと自由に作成できるカスタマー管理ポリシーがあります。

AWS管理ポリシーでは、AWSのアップデートに伴い追加される機能に対し自動でメンテナンスされます。カスタマー管理ポリシーは権限設定が自由に可能になりますので、用意されたAWS管理ポリシーで要件を満たせない場合に使います。

インラインポリシー:

従来からあるポリシーで、グループ、ユーザー、ロールに直接埋め込まれるポリシーです。複数のユーザーの権限を一括変更などはできませんので、通常は管理ポリシーを使う方がメリットが大きいと思います。

アクセス条件の記述

JSONで記述します。

  • Action:操作自体の設定
  • Resource:操作対象の設定
  • Condition:このアクセス制御を有効/無効の条件設定

アクセス可否の決定ロジック

デフォルトDeny < Allow < 明示的Deny で評価されます。複数の条件に該当した場合、1つでもDenyがあれば拒否されます。

連携するAWSサービス

サービスによってコントロールできる権限レベルが異なります。

IAMで設定されるユーザベースのアクセス制御と、S3、SQSなどのサービスによって付与するリソースベースのアクセス制御があります。リソースベースの制御はクロスアカウント間のアクセス許可などに適用します。

ポリシー作成支援ツール

IAMによる監査

  • Cloud Trailによるアクティビティの記録:APIコールが記録されるので、適切な利用状態かを確認
  • Access AdvisorとService Last Accessed Data:最後にアクセスした記録し、最小権限の維持に利用
  • IAM認証情報レポート:最後に利用した日付や変更日の記録
  • AWS ConfigのIAMサポート:変更管理

AWS Security Token ServiceとIAMロール

IAMロールとは

AWSサービスやアプリケーション等のエンティティに権限を付与する仕組みで、IAMユーザ/グループとは紐付かない別の管理になります。ロールに対しIAMポリシーをアタッチして権限を管理します。

EC2にはIAMロールを利用することで、認証情報をOSやアプリケーションに持たせる必要がなく、認証情報漏洩のリスクを低減できます。

IAMロールを設定したEC2では、有効期限つきのセッショントークンを取得することで認証されます。

Security Token Serviceとは

一時的に利用するトークンを発行するサービス。期限付きの一時認証情報を発行します。

IAMの権限階層

ユースケース

  • IAMロールによるクロスアカウントアクセス
  • AWSアカウント間のアクセスにMFA保護も可能
  • Switch Roleで複数アカウントのマネジメントコンソールを切替が可能

IAMによるFederation

ID連携

  • 組織・企業の認証機能と連携が可能
  • OpenID ConnectとSAML2.0をサポートしています。

ユースケース

  • SAML2.0によるSSO Federation
  • Console Federation:マネジメントコンソールへの既存のIDプロバイダを使ったシングルサインオン
  • Web ID Federaiotn:モバイルアプリから認証サーバ不要でアクセス

認証連携を使うことで、組織内でのアカウント管理が統合されリスク低減し、よりセキュアな運用ができます。

まとめ

  • IAMのベストプラクティスを併せて参照
  • IAMを利用することでセキュアなAWSの利用が可能
  • STSをうまく使うことで、AWSサービスをアプリケーションやモバイルから直接利用できる
  • IAM自体に利用料は発生しないので積極的な利用を!!

今後のオンラインセミナー

最後に

IAMはAWSを使う上でほぼ必須と言える重要な機能で、使われている方も多いと思います。一方できめ細やかなアクセス制御が可能であり、IAMロール/STSやフェデレーションといった奥の深いサービスでもあります。

うまく使いこなすことで、AWSをセキュアに利用しつつ、オペレーション負荷も低減することができます。

今回このセミナーを受講することで、改めてその機能を体系的に整理することができました。

 

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